写真家 長谷川恭子さんに教わるプロのコツ【Ⅱ】やっぱりマニュアル撮影!写真技術を駆使するプロの技を学ぶ   2015.3.7開催


写真家の長谷川恭子さんにプロの技、ちょっとしたコツを教えていただく、3部構成での写真教室。 第2回はマニュアルカメラでの撮影技術でした。

 

『構図とフレーミング』

 

構図とフレーミングって同じ意味で使っていましたが、長谷川さんに基本から教えていただきました。

「構図とは、フレーミング内で被写体の位置や角度を調整したり、主役の被写体以外を配置するか、しないか、またどこに配置するかを決定することです」

 

・風景写真で良くしようするシンプルな構図は「水平線構図」
・開放感や奥行など単調な構図になりがちな被写体に広がりを演出する「放射線構図」
・画面の下から上への広がりやダイナミックさを演出する「逆三角形構図」
・三分割された交点に主になる被写体を置くことで安定感を演出する「三分割構図」
・画面を斜めに世こじらせて被写体を大きく、また奥行を出す演出の「斜線構図」
・左右、上下対称に被写体をみせることで奥行と安定したバランスを演出する「対称構図」  

 

被写体に近づく

 

「一方、フレーミングとは「被写体の切り取り方」のことで、「被写体の引き算」とも言われます。被写体をアップで撮るか引いて撮るか、またアングルを変えて上から撮るか(俯瞰)、横から撮るか(目線位置)など、被写体の表現の意図を考慮して画面を切り取ることです。人や余計なものが構図上どうしても画面に入ってしまう場合、主となる被写体を中心に切り取ることで景観の美しさが表現できることがあります」

 

『絞りとシャッタースピード』

「絞りとは、レンズを通して光の量を調整する機能のことで、適正露出を決める重要な機能のひとつです。主な被写体のほか、画面上のボケ具合を決定する役割もあります。「絞り優先」とは光を調節し、かつ被写体のボケ具合をコントロールしながら撮影する機能で、静物写真やインテリアフォトに用いられます」

 

「シャッタースピードも同様に露出を調整する機能のひとつで、レンズのシャッターが開いている時間のことを指します。シャッタースピードを遅くすると、光を取り込む時間は長くなりますが、手ぶれしやすくなってしまいます。逆にシャッタースピードを早くすると、光を取り込む時間は短くなりますが、動いている被写体の一瞬を止めるような写真表現ができ、動きやスピード感のある被写体を撮影する際に多様されます。主にスポーツフォト、水の流れなどを表現するネイチャーフォトですね」

 

被写界深度

続いては「被写界深度」の説明です。これ、待ってました!!
これができると、ぐっとプロっぽい写真になります。

 

「被写界深度とは、ピントの合う前後の距離の範囲のことです。絞りとは密接な関係で、望遠は長く、広角は短い などの焦点距離、撮影距離も含めて、構図やフレーミングをそのままに、印象の違う写真を表現できます。被写界深度が深い場合はピントが合っている範囲が広く、パンフォーカスとも言います。逆に浅い場合は、画面上ピントが合っている範囲が狭くなります。ズームレンズよりも単焦点レンズの方が、絞り値が小さいものが多く、明るい写真が撮れます。またボケ具合も強いのでテーブルフォトに最適です」

 

カメラの「F」の値が絞り。これが小さい方が被写界深度が浅くてボケ具合の強い写真が撮れるんですね!

 

『露出補正』 と 『ホワイトバランス』

 

「露出補正とはカメラ機能で自動に敵影露出された写真の明るさから、マニュアルで意図的に明るくしたり、暗くしたりすることです。逆光による人物撮影で顔が暗くなってしまったときなど、露出補正して明るくすることが多いです」

 

うん、これは知ってる。

 

「次にホワイトバランスですが、撮影時に、様々な光源の下で被写体をより良い色調の写真にするために補正することを言います。太陽光も例外ではなく、赤みを帯びた白熱灯や青みを帯びた蛍光灯など、それぞれに色温度があり、ホワイトバランスを調整しながら撮ると、雰囲気のある写真が表現できます」

 

実習風景

そして、いよいよ実際の撮影に入ります。


マニュアルカメラにもオートモードがあり、いつもはこれでカメラにお任せで撮影していましたが、今日はこれをマニュアルモードに切り替えます。マニュアル(取扱説明書)を見ながら、どこで設定すればいいか確認しながらの撮影です。

 

一枚撮ってはカメラの設定を変更し、その違いを確認しながら、また次を撮る。
さながら会場は撮影スタジオ、参加者の皆さんは見習いカメラマンといった感がありました。

 

私も、個人的には「被写界深度」を使えるようになり、大満足!でした。


次回はいよいよ、戸外での撮影に挑戦です!


■ プレゼンター:
・ 写真家 長谷川 恭子

 

■ 開催場所:ギークオフィス恵比寿