写真家の長谷川恭子さんにプロの技、ちょっとしたコツを教えていただく、3部構成での写真教室。

初回はスマホで写真を撮るときのコツを教えていただきました。

写真家 長谷川恭子さんに教わるプロのコツ【Ⅰ】                       構図とフレーミングを学んで、スマホで切り取る素敵な写真  2015.2.7開催


いまやスマホで写真を撮るのは当たり前。美味しそうな料理や素敵な風景、友人との楽しい時間など、日常のちょっとした瞬間をスマホで切り取りその幾つかはFacebookにアップしたり。 そんな時、やっぱり少しでも綺麗に撮りたいものです。

『スマホ機能編』

 

     1.HDRを活用しよう!
     2.ズームでフレーミングを決めよう!
     3.ピントの位置と露出を決めよう!

 

「HDRとは、ハイダイナミックレンジの略称です。撮影場所が明暗差の強い場合、被写体のピントや露出によって人物の顔が黒く潰れたり、青空が白く飛んでしまうことがあります。この現象を解消するために、1度のシャッターで明るめ、普通、暗め、と露出の異なる3枚の写真を撮影し、それを合成したダイナミックレンジな写真が作成できる機能です」 

 

冒頭からなかなか専門的な話で始まりました。

 

正直言ってHDRなんて初めて聞いたし、「皆さん、スマホで撮影するとき、HDRオフって出てますよね」と言われ、いやいやそんなの知らないと思ったら、なんと私のiPhoneの撮影画面にもしっかり「HDRオフ」と出ていました。そんなことにも気づかずにこれまで写真とっていたんですね。 

 

HDR OFF
HDR OFF
HDR ON (空の青さと雲)
HDR ON (空の青さと雲)

「続いてフレーミングです。風景や情景撮影するときに、メインとなる被写体に高低差があったり、高位置や遠距離などピンとが合わせにくい場合や、撮影場所に立ち位置などの制限があって自由にアングル等が決められないときはズーム機能を使用してみるのもお勧めです」

 

サンプルとして見せていただいた写真を見ると、その違いがよくわかります。

 

「ピントの一位置が決まると自動に露出も調整されるのが、スマホ撮影の利点でもあり、難点でもあります。タップを長押しにすると露出だけでなく、ピント位置もロックされるので、スマホの角度や構図、フレーミングを簡単に決めることができます」

 

確かに、長押ししたら「AE/AFロック」という文字が画面に出てきました。
これも知らなかった・・・・ 何年、このスマホで写真とってたんだろうかとちょっと落ち込み気味・・・ でも、気を取り直して次は構図編です。

 

『構図編』

 

       1.縦位置と横位置のイメージの違い
    2.余白の使い方と配置のセオリー


「横位置で撮影することの多い風景写真も、スマホの場合は機能や性質上、縦位置で撮る事があります。広大な海や空などは「高さ」や「広がり」を主に考慮し、中心となる被写体と水平に撮ると安定感のある写真になります」

 

さらに、「躍動感」や「奥行感」を演出するものを入れて・・・と、活き活きとした、面白い写真をとるためのコツの説明が続きます。続いてはテーブルフォト。

 

料理をアップにする

「料理写真だけに限らず、テーブルフォトでは画面の余白と被写体の配置バランスがとても大切です。複数の料理を画面ひとつで撮る場合は、対角線に並べたり、各食器との隙間を開けず、余白を作らないことがコツです」

 

・画面内に料理がはいらなくても料理をアップにする。
・小物を入れたり、バックをぼかす。
・余白を作る場合はバックに余計な色を使用しない。
・バランスを考えた「斜線構図」や「三分割構図」

 

次から次へとプロの技が惜しげもなく披露されました。

 

『光編』

1.逆光を味方にしよう!
2.光の角度とレフ板の使い方
       

いよいよ光編では、光の角度による「順光」「逆光」「斜光」の説明がありました。

 

光の使い方

「逆光は人物写真には不向きですが、テーブルフォトや風景写真には重宝する光の角度です。
テーブルフォトでは被写体の斜め後ろに光を当てると良いでしょう。室内であれば、自然光の当たる窓際を背景に撮影したり、自然光がなければ、光の強い背景に被写体を配置すると自然と影ができ、質感を出すことができます」


「逆光」ぐらいは知っていましたが、それぞれ光の置き方で被写体の表情がこんなに変わり、 味わい深い写真ができることに驚きでした。

「レフ版」の使い方の説明があり、いよいよ、実際の撮影に移ります。

 

サンプルの被写体を前に、参加者の皆さんは真剣そのもの。

長谷川さんに教わったテクニックで、これまでの写真とはまるで違う、 「雑誌に出て来る写真みたい!」な写真の出来栄えに、お互いの写真を見せ合っては 喜びの声があがっていて、皆さんホントに楽しそうでした。


■ プレゼンター:
・ 写真家 長谷川 恭子

 

■ 開催場所:ギークオフィス恵比寿